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「地域の活性化」という単語の罠

地域で仕事をしていると、耳にタコができるほど聞く単語群の一つに「地域の活性化」というものがあると思う。何かイベントをするために、何か予算をつけるために「地域の活性化」という単語が結構飛び交っている。で、正直あまり深い考察をしてこの単語を使っているか?というとそこまででもない。というのが結構多い。「なんとなく観光客が増えるといいことが起きそう」「なんとなく住民が増えると、売り上げが増えるのではないか?」そうした感覚で「地域の活性化」という単語が使われているような気がする。では、「地域の活性化」とは「何が、現状どうなっていて、本来どうあってほしい状態とのギャップがあり、それを埋めた結果、どのくらい変化がある」というところの説明を求めると答えられない。そういう状況で使われている単語の筆頭だと思う。

 

こうした議論を行う際、主役となる役所と多くの中小事業者が想定している「地域の活性化」とは、わかりやすいメリット(もっと端的に言うとお金)をたくさん運んで来てくれる状態であり、本来は歓迎すべきものだと思う。地域の人口増加や消費の活発化は、地域を商圏としている中小事業者の売上や利益の増大に直結していることが多い。ただ、一方で「地域の活性化」という単語の幅が広すぎるが故に、特定の領域対して刺さる施策にはしにくい。ある特定の事業領域にのみフォーカスすると他の事業領域の企業経営者にとっては「なんで俺たちのところには恩恵がないんだ」という話が得てして上がり、議論が玉虫色になる傾向がある。したがって、内容としてもエッジの効いたものではなく、全者がある程度満足するようなオリジナリティの少ないどこかの街ででやったことがある、前例踏襲型になることが多い。

 

また、一方で「地域の活性化」は一般の市民にも歓迎されやすい傾向がある。その目標や効果としては、もちろん今よりも住みやすくなることが期待してのことと思うし、「地域が活性化した方がよいですか?」という質問に「いいえ」と答える人もいないだろうと思う。ただ、ここでも「住みやすい」という状態が具体的に何であるかは別として。もっと人や商業施設が増えて街全体が賑やかになることを望む人もいれば、閑静な環境の維持を望む人もいるでしょう。したがって、ここでも各個人にとっての「住みやすい」は多様である。

 

その背景はなんなんだろうか?と考えたところ、中小事業者にも一般市民にも人気がある「地域活性化」という言葉は、日本人が大好きな「曖昧で包括的に表現する名称」の1つだと思う。財政施策からボランティア活動まで、あらゆる活動の「正当な目的」として「地域の活性化」という単語は利用することができる。また、これさえ実現できれば、あらゆる社会的な課題から個人的な課題までが解決されそうな「錦の旗」的な意味合いも持つ言葉とも感じられる。要するに表立って反論しにくい単語なのだと思う。

 

しかし、この単語はあまりにも多くの要素を内部に含んでおり、ほとんど何も限定していないに等しいと思う。とにかく「地域活性化」は大変便利な言葉であり、なんとなく「すごくいいことをしている気になるし、その人をその気にさせる」キラーワードとも言える。「地域活性化のために」とか「地域活性化によって」と言っておけば、具体的に何がどうなった状態を想定しているのかを明言しなくて良くなる。(というより、そもそもそこを気にしてこの単語を使わない)

 

具体的にどうなったら「地域の活性化」と呼べるのか? 自分が言葉を使うときは注意はしたいと思う。

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