16Jul
技術進歩やグローバル化そして産業構造の変化などによって、世の中はでどんどん複雑化していっています。そして、それは社会の中で事業を経営する会社経営における課題も複雑化してきたことを意味します。
会社経営における課題は、職員の目から見て「単一の課題」のように見えても実は複雑に絡み合っています。日本経済全体や人口統計、法制度や地域環境、業界環境などのマクロ環境に加えて、社内のヒトモノカネ情報といったミクロ環境などが複雑に絡み合っています。ですので、単一の課題に対して、拙速に解決策を考えて打つことは別の課題を生み出す要因にもなりかねず、どうしても時間をかけて全体像を俯瞰しつつ、解決策を模索していくしかありません。
その中で私が意識をしているのが次の3つです。
- 課題にすぐ取り組むのではなく、課題の会社全体における位置づけを考えてみること
- 課題をなるべく小さな単位に切り分けて、MECEにカテゴリーに分けること
- 単位・カテゴリーを多方面から見ることで、視点になるべく偏りが出ないようにすること
です。
例えば、目の前に上がってきた課題として「人材採用で苦戦をしている」というものがあったとします。その場合は、人材採用というものの会社の位置づけをまず考えます。そうすると、見えてくるのが人の流れとしての「採用」「定着」「離職(アウトプレースメント)」です。
今回は「採用」で苦戦をしているとあるが、なぜ「採用」をそもそもしないといけないのか?という点に一段引いて考えると、次の課題が見えてきます。
「離職」数が多くて、その欠員が生じているため
「離職」予備軍である「定着」面の問題があるのではないか?
こうした感じで、一言で「人が足りない」=「採用活動に課題がある」と飛びつくのではなく、その前後左右・上下の分野に気を配るようにしています。
まぁ、完全にできているわけではないですが、最初から決め打ちで行ってしまうと、上の例だと「採用媒体」「採用プロセス」など特定のプロセスにみ手を入れることになってしまうからです。
こうした作業を頭の中である程度時間をかけて行うため、どうしても打ち手を考えるのは時間を必要とします。課題の当事者にとっては「さっさと対応考えてよ」と思うことがあるかもしれませんが、そういう事情があるのは分かってもらいたいところです。