10Jan

変化の時代に、歩みを止めないという考え方
十二支の中で、「動き」や「前進」を象徴する存在として語られることが多いのが午年です。馬は古来より、人の移動や物流、情報伝達を支え、社会や経済の広がりを可能にしてきました。徒歩では越えられなかった距離を越え、世界の見え方そのものを変えてきた存在だと言えるでしょう。
午年には「活発」「勢いがある」といった前向きなイメージがある一方で、「変化が大きい」「落ち着かない」といった見方もあります。ただ、この二つは矛盾しているようでいて、実は同じことを指しています。物事は動くからこそ変化し、変化があるからこそ前に進む余地が生まれるのです。
馬は、まず動きながら状況を把握します
動物としての馬の特徴を見てみると、興味深い点があります。馬は危険を察知した際、立ち止まって長く考えるよりも、まず距離を取る、場所を変えるといった行動を選びます。安全を確保したうえで、周囲の状況を把握する。生存戦略として極めて合理的です。
この性質は、人の仕事や人生にも示唆を与えてくれます。すべてを理解してから動こうとすると、かえって動けなくなることがあります。一方で、動きながら考えることで、見えてくる情報や判断材料も少なくありません。
歴史を振り返っても、大きな変化は十分な情報が揃った瞬間ではなく、「まずやってみた」ことから始まっているケースが多く見られます。動いたからこそ、次に考えるべきことが明確になったとも言えます。
動きが生むのは、勢いだけではありません
もっとも、動くこと自体が目的になってしまっては意味がありません。午年は勢いの年だと語られることがありますが、勢いは使い方を誤ると消耗につながります。馬も長距離を走る際には、常に全力で走るわけではありません。速度を調整しながら、結果として遠くまで進みます。
仕事や日常においても同じです。加速する場面と、一度立ち止まって調整する場面。その切り替えができるかどうかが、継続的な前進を左右します。動き続けるとは、休まないことではなく、止まりすぎないことだと捉える方が現実的でしょう。
動いているからこそ、見えてくるものがあります
馬に乗ると、視点が高くなります。このことは比喩としても示唆的です。動いている人は、同じ場所に留まっている人とは異なる景色を見ています。新しい情報、人とのつながり、自分自身の課題や可能性も、動いているからこそ認識できるのです。
動くことで、不要なものに気づき、足りないものが見えてきます。そして、その気づきが次の行動を生みます。この循環がある限り、前進は続いていきます。
変化の多い時代だからこそ、大切な姿勢
干支は未来を決めるものではありませんが、自分の姿勢を見直すきっかけにはなります。午年が象徴しているのは、無理に走り続けることでも、常に成果を求めることでもありません。
立ち止まりすぎず、考えすぎず、まず一歩を踏み出すこと。
動きながら調整し、必要に応じて速度を変えること。
こうした姿勢は、干支に関係なく、変化の多い時代を生きるうえで普遍的に求められるものです。前に進むとは、特別な才能の話ではありません。選択の積み重ねであり、日々の姿勢の問題です。
歩みを止めないこと。その意識だけでも、見える景色は確実に変わっていきます。

