7Jan

――それでも、行動する人が未来をつくる理由
「考えてはいるんです。でも、まだ動けていなくて」。
外部の経営者やビジネスパーソンと話していると、こうした言葉を耳にすることが少なくありません。アイデアはある。課題意識もある。必要性も理解している。それでも行動には移せていない。本人もどこか歯がゆさを感じている──そんな状態です。
ここで誤解してはいけないのは、「行動できない人=怠けている人」ではないということです。多くの場合、行動できない背景には、完璧主義、失敗への恐れ、結果が見えないことへの不安といった、ごく人間的な心理があります。問題は性格ではなく、行動に対する構え方にあります。
だからこそ、「行動する人になる」ということについて伝えていきたいと思います。
派手な成果を出す人になる必要はありません。まずは、行動の質を変える。そのために、意識してほしい三つの視点があります。
行動できる人は、「小さく始める」ことを知っている
行動できない理由の多くは、「最初から正解を出そうとすること」にあります。完璧な準備が整ってから、もっと良いタイミングが来てから、条件が揃ってから──そう考えているうちに、時間だけが過ぎていく。
しかし、現実の仕事において、最初から正解がわかっていることなどほとんどありません。正解は、行動の後にしか見えてこないものです。だからこそ重要なのは、「小さく始める」ことです。
業務改善のアイデアがあるなら、いきなり全社展開を狙う必要はありません。まずは自分のチームで試してみる。新しい提案を考えたなら、全顧客に一斉に売り込むのではなく、まずは一社だけ訪問してみる。その小さな一歩が、評価や指摘という“材料”を生み、次の改善につながります。
行動できる人は、最初から大きく当てようとはしません。検証可能なサイズに落とし込み、動きながら考えています。
行動する人は、「失敗」を情報として扱う
行動すれば、必ず失敗は起こります。むしろ、失敗しない行動など存在しません。問題は失敗そのものではなく、失敗をどう扱うかです。
行動できない人ほど、「失敗=評価が下がるもの」「失敗=避けるべきもの」と捉えがちです。しかし、成長している人は違います。失敗を「次の行動を修正するための情報」として扱います。
営業がうまくいかなかったとき、「自分には向いていない」で終わらせてしまえば、そこで成長は止まります。一方で、話し方に問題があったのか、提案内容がずれていたのか、タイミングが悪かったのかと要因を分解すれば、次の一手が見えてきます。
失敗から学ぶ人とは、反省会をする人ではありません。次の行動を具体的に変えられる人です。挑戦せずに失敗を避ける人より、挑戦して失敗し、それを糧にできる人のほうが、結果的に大きく前進します。
行動の差は、「続けられるかどうか」で決まる
もう一つ、行動できない人に共通するのは、「結果が出るまで待てない」ことです。新しい取り組みを始めても、短期間で成果が出ないと、「やっぱり意味がなかった」と判断してしまう。
しかし、ほとんどの仕事は、すぐに結果が出るようにはできていません。成果が出る前には、必ず“静かな期間”があります。その期間をどう過ごせるかが、行動の差になります。
松下幸之助の言葉に「成功するまで続ける」というものがありますが、これは精神論ではありません。続けていれば、経験が蓄積され、環境が変わり、あるタイミングで点と点がつながるという現実を表しています。
もちろん、ただ待っていればよいわけではありません。振り返り、修正しながら続けることが重要です。それでも、「すぐに結果が出ないからやめる」という判断を繰り返していては、行動する人にはなれません。
行動とは、「小さく始め、学び、続ける」こと
「行動する人」とは、特別に勇気がある人ではありません。
小さく始め、失敗から学び、続ける人です。
この三つのどれか一つが欠けても、行動は長続きしません。
考えること自体は大切です。しかし、考えているだけでは、何も変わりません。行動によってしか、現実は動かない。そして、行動する人が増えた組織、増えた社会は、確実に前に進みます。
2026年は、考えるだけの一年ではなく、動く一年にしてみませんか。
完璧でなくていい。小さくていい。
一歩を踏み出す人が増えることが、未来を変えていきます。




