25Jun
当社は株式会社です。社会福祉法人でもなければNPO法人でもありません。純粋な営利企業です。
で、よくいただく質問というか話題の中に「なんで、社会福祉法人でやらないんですか?」ということがあります。まぁ、一般的にはそういった感覚を持つんだなぁと思いますが、確固たる理由があって絶対に社会福祉法人ではやらない。と心に決めています。
1.ガバナンスが極めて脆弱
社会福祉法人は会社の役員会に該当する「理事会」というものがあります。その理事会の構成員は理事であり、その代表者が理事長です。理事長は会社でいうところの社長ですね。
で、社会福祉法人はその性質から、社会福祉法というもので規制を受けます。社会福祉法の中では次のように規定されています。
理事の選任は、評議員会の決議による(法第 43 条①)
理事の人数は 6 人以上でなければならない(法第 44 条③)
また、理事の欠員が定数の 3 分の 1 を超えた場合は遅滞なく補充しなければならない(法 第 45 条の 7①)
理事の任期は選任後 2 年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会 の終結の時までとされているが、定款により短縮することができる(法第 45 条)。 理事を再任することは差し支えなく、期間的な制限はない。 理事の欠格事由は、評議員に同じ(法第 44 条①、準用:法第 40 条①)
また、理事には次の者が含まれていなければならない(法第 44 条④)
・社会福祉事業の経営に関する識見を有する者
・その法人が事業を行っている区域における福祉の実情に通じている者
・その法人が施設を設置している場合は、その施設の管理者(施設長)また、理事についても次のような条件がある(同条⑥)
①各理事について、その配偶者及び三親等以内の親族、その他省令で定める理事 と特殊の関係にある者が 3人を超えることはできない。
②各理事について、当該理事を含め、その配偶者及び三親等以内の親族、その他 省令で定める理事と特殊の関係にある者が理事の総数の 3 分の 1 を超えること はできない。
まぁ、要するに評議員という外部の人間に「理事」は選任され、かつその「理事」は1/3以上は身内等で固めてはならず、「理事長」もあくまで「理事」の一人で他の理事と議決権上は同列です。
要するに、他の2/3の理事が結託すればクーデターを起こして社会福祉法人自体を乗っ取ることができる仕掛けになっているんです。それを防ぐために、いろいろな理由をつけて、理事長に近い「理事」の選出を評議会に対して理事会は打診をしてきますが、必ずしも承認される訳ではないのです。実際、私はとある社会福祉法人の評議員をやっていますが、あまりに身内寄りの理事候補を理事会が上げてきて承認を求めてきたので評議員間で話をして否決をしたことがあります。
こんな不安定なガバナンスで経営はやれません。
2.社会福祉法人の言い訳を潰したい
すべての社会福祉法人がそうとは言いませんが、少なくとも「経営」という視点でみたら「理事会」がうまく機能をしていないことが多いと感じています。結果何が起きるかというと、「ムリ」「ムダ」が多くなるだけでなく、利用者目線を持つことができない法人も散見されます。(もちろん、とても志高くやられている法人も数多く存在しています)
本来であればできることを「お金がない」「人がいない」という言い訳でやらないことも散見されます。
であれば、同じ事業だけでなく社福が進んでやらない事業を、株式会社である当社がやることで「株式会社でも出来るのに、社福ができないのはなぜですか?」というアンチテーゼになることができれば。と思っています。
この2点が私が社会福祉法人にまったく興味がない理由です。