15Feb
かねてから動いていました、流山市小規模保育連絡協議会(通称:小保連)と市内認可保育所5園との包括連携協定を締結することができました。
この包括提携は小保連に加盟している小規模認可保育所の卒園児は、包括提携をしている認可保育所を「連携保育所」として卒園後の転園先として希望申請をすることができる。というものです。本来は各保育施設が個別で連携協定を結ぶのですが、連携していない保育施設を卒園後の転園先として選ぶと、一般の3歳児入園と同じ審査の土俵に乗らざるを得ないです。その状況をなんとかしたいと思い、包括提携という仕組みを考え出しました。
現在、3法人と連携協定書の捺印が終わりました。
それ以外にも、具体的なお名前はまだ挙げられませんが、市内にある認可保育所と連携協定を順次進めているところです。
連携協定を結んでくれるところが増えれば増えるほど、小保連に加盟している小規模認可保育所の在園児にとっては、卒園後の「連携保育所」の選択肢が増えます。さらに、入所審査において優先配慮をした入所審査の対象になる。という状況を作ることができます。(詳しくは後述)
ちなみに、小保連として要望を上げ続けたことで、次のようなことがこの1年間で実現しました。
1)卒園児の調整点数の大幅な増加
小規模認可保育所を卒園する子どもには14点(昨年までは5点)の調整加点が行われるようになりました。調整加点としては最高クラスで、ほぼ無双状態です(笑 これで、保護者が危惧されている卒園児の卒園先入所審査で点数が足りなくて待機児童になるというふざけた現象はまず生じなくなりました。
2)3歳児以降を中心とした連携認可保育所の開所
今回連携をしていただいているそらまめ保育園とチャレンジキッズ本園の両園は、小規模認可保育所の卒園児向けの認可保育所(合計40名前後の3歳児以降の受入定員を確保)として開園してくれることになりました。両園を経営している法人様には感謝してもし足りません。
また、けやき会様の三園についても全て受け入れ枠を小保連と連携をしていただけることになりました。こちらも感謝しております。
ちなみには都内では、「連携先が作れないから小規模認可保育を特例で5歳まで在園できるようにしてくれ。」という意味不明な特区制度導入(国家戦略特区小規模保育という謎名称 笑)をロビー活動を通して訴え実現させた事業者がいます。
しかし、小規模保育事業者同士が力をあわせて行政に訴えるような努力もせずに、短絡的かつ目先の対応のために制度の趣旨を捻じ曲げるような動きには首をかしげざるを得ません。
この特区を利用して小規模保育で5歳まで保育をするとなると、最大19人定員で5歳まで在園していると各年齢ごとのクラスがどんなに多くても3〜4名程度ということになります。(下手すると認可に移る児童も出てくることを考えると、5歳児は1〜2名ということもありえます)
保育所保育指針などに基づき、社会性を育んでいかなければならない3歳以降にとってこの特区制度は悪影響しかありません。メリットがあるのはその事業者だけです。そもそも、待機児童の中心帯である0-2歳の受け皿を確保するという本来の目的はどこへ消えたんですかね?小規模保育の主旨を理解していたらこうした提案がなぜ出てくるのか、本気で理解に苦しみます。したがって、このような保育環境を「連携先が見つからないから」という事業者側の都合で(先に書いたように事業者同士が連携して行政や認可保育所を巻き込んで変えていく努力をせずに)行政にねじ込む経営スタンスや政治力を使ったパワープレイがなぜできるのかは私にはまったく理解ができません。そして、こうした活動をした事業者およびその代表者は本当に園児や保護者のことを考えているのか激しく疑問です。
で、振り返って今回流山市で導入していくスキームですが、小規模保育事業所の開設に合わせてと3歳児に定員特化した認可保育所の設置していただきました。(または認可設置時に予め3歳児と2歳児に定員差を設けることを義務化すること)これは、連携保育施設の確保で全国的に苦慮している小規模認可保育施設の行政スタンスに一石を投じるものだと思っています。目先の刹那的な対応ではなく、持続可能かつ本来のあり方を追求するとこうなるはず。と私は考えています。(なんのために国がわざわざ3号認定という区分を作っているのか?というところに想いをいたれば、このあり方を国としては相当前からイメージしていたはずです)
行政執行部だけでなく、協力してくれる認可保育所があってはじめて成り立つシステムではありますが、これが本来の小規模保育施設と認可保育施設の連携のあり方であると胸を張って言えると思っています。
3)卒園児の入所審査における配慮
本年度の4月入所審査(卒園児の卒園先入所審査)については、一般の3歳児入所審査と平行で行いながらも、入所審査において「小規模認可保育所の卒園児である」ということで、ある程度優先的な配慮をしてくれました。次年度もいま時点では同様の動きをすると聞いており、我々が訴えてきていた保育の連続性を担保する。という点で流山市の執行部も趣旨と意義を理解してくれています。
今後も小保連として包括連携協定先を増やすことで、「3歳児待機児童問題」など気にすることなく、小さい頃は小集団での手厚い保育を受け、3歳児以降の集団保育で大きな保育所へ転園する。という流れを流山市で作っていきたいと思っています。