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なぜ「認可外保育所」をあえて作るのか?

2月1日のチコルフロアOPENの後、いよいよチコル☆保育園が2月8日に開所します。諸々の大人の事情があり、当初数年間はチコルが入居する「パークシティ柏の葉キャパス ザ・ゲートタワーウェスト」に入居している方のお子様専用になります。ご入園を希望されていた周辺のマンションのみなさまには、改めてお詫び申し上げます。

 

さて、その上で今回のチコル☆保育園は認可ではなく、認可外保育所としてOPENします。周辺の保育事業者からも「なんで認可にしなかったの?」「駅前の好立地でわざわざ認可外でやるなんてもったいない」「補助金もらった方が楽なのに」などなど、色々な言葉をかけられました。正直なところ、私自身も最後の最後まで悩みました。でも、三井不動産様の柏の葉キャンパスという街づくりにおける、重要な役割をこの保育所が担うと思えたこと、そして何より「このままチャレンジをする風土をなくすことが怖い」という思いから、認可外保育所としてのOPENを決定しました。

 

認可保育所は確かに運営が楽です。毎月園児一人当たりで国が定めた公定単価をもとに、確実にお金が入ってきます。また、その金額も認可外保育所に比べると比較にならないくらいおおいです。例えば、1歳児1名を預かると20万円です。保護者も所得に応じて数千円〜MAXでも7万円程度。一方、認可外保育所だとどんなに頑張っても8万円くらい。しかもすべて保護者負担です。色々な加算もあります。栄養士を雇用したらいくら。延長保育を実施したらいくら。などなど認可外はそうしたものがすべてありません。ですので、認可保育所と料金面で戦うのは無理なんです。

でも、認可には逆に法律で決められた「やってはいけませんリスト」がいっぱいあります。例えば保育園内でこの子は追加でお金を払ってもらって幼児教育を受けさせたい。というニーズには応えられません。なぜか、不公平だからだそうです。認可外はそうしたことが自社の裁量でできます。保育時間も好きに決められます。園内の使い方も自由です。(認可保育所は、お部屋の使い方も用途以外での利用は原則不可です)

そうした、サービスとしての保育の柔軟性を武器に、認可外保育所は認可保育所と競争するのです。そこには「知恵」と「工夫」をする必要があり、そこで働く職員は単なるスタッフとして働く保育士・職員ではなく、色々なことを考えて園のことを考え動くことができる、スキルの高い保育士・職員になることができると思います。また、会社としてそうした保育士・スタッフを育成することを通じて、人材育成の幅を持たせるだけでなく、会社としての人材の多様化を実現することができます。地道なそうした努力の結果として、企業の地力に繋がると思っています。

ちなみに、昔は認可外保育園で理想高く、いわゆる「知恵と工夫」でやりくりをして、良い保育を提供していたところが、社長が補助金の美味しさに目が眩んで「とりあえず認可!補助金!」と言って経営方針を変え、今や見る影もなくなったところを知っています。個人的には認可外保育園で理想をもって頑張っていた社長からの変貌に失望しかありません。

 

大阪の本社を構えて補助金に頼らず、認可外を中心に保育事業を全国展開するタスク・フォースという会社があります。そこの西山社長を私はものすごく尊敬しており勝手に崇拝しています(笑 西山社長と以前お話をしたとき、今後も認可に参入しないとおっしゃっていました。その際「補助金が入ると、努力せずとも儲かることでスタッフの士気が緩む。経費の使途が限られ、工夫もなくなる。現場の質が落ちるだけだ」ときっぱりおっしゃっていました。西山社長の真似をするわけではないのですが、今の私の会社にとっても、そうした企業風土を残す必要があると信じています。

 

 

保育の質に差があるのは、認可保育所でも認可外保育所でも同じです。「とにかく認可」の風潮に流されず、保護者が自らの目で選ぶ意識こそが、保育業界のレベル向上のきっかけになるのではないかなぁと思っています。そのアンチテーゼとしての位置づけとしても「チコル☆保育園」は認可外保育所として運営をしていこうと思います。

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