15Apr
私は大学院でMBAを取得しました。
学んでいる最中は、仕事・起業と家庭と学業の三足のわらじ状態で、本当にしんどかったですしもう1回やれと言われても絶対嫌です。だけど、あの苦しかった時間は今の自分にとって太い背骨になっていると思います。
そうした「経営学を学ぶ」という経験を経て、いざ起業をして経営者になってみて13年が経ちました。
そうした経営者人生の経験を通して言えるのは、「経営学は学べても経営は学べない」ということです。
実際、起業をして経営を始めると、大学院で学んだ理論をもとに運営をすると上手く行かないことが往々にしてあります。
もちろん無意味だとは思いませんが、結局その理論の実践においては理屈や理論ではなく、「経験」に裏打ちされたコツや勘が求められることに気づきました。
つまり、経営とは認知・非認知の両面をフル活用する芸術とも言うべきセンスが必要になるのです。また、その必要とされる知識・理論・コツ・勘などは、日々刻々と変化をするため、日々のアップデートが経営者には必要不可欠です。
そういう意味で、経営とはいわば完成することのない生きた総合芸術であると私は思っています。
事業分野一つとっても、様々です。
研究部門、製造部門、販売部門、仕入れ部門、経理・人事と言った間接部…
そうした経営要素の一つ一つの複雑多岐に渡る分野・要素の組み合わせを効率的にかつ効果的に行う必要があるからです。そしてそれらを統合し、調整する役割が経営者である以上、これは一つの大きな創造活動であるとも言えます。
ゆえに、経営とは学問の上で学ぶことはできず、実際にやってみて・体感し・苦しみを味わい・ときには挫折を味わった先に学び取れるものだと思います。
ビジネスモデルがどうとかは、成功確率をほんの少し高める効果があるにすぎません。
芸術家のような苦悩の道を歩き続ける意思と覚悟と精神力が経営者には必要なのです。