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人は自分が本当に「欲しいモノ」を知らない

それ、「ニーズ」あるの?

前々職はもともと大企業や官公庁向けが保有する情報資産(書類や磁気テープなど)を遠隔地保管するという事業をやっている会社なのですが、それを中堅中小企業向けに展開したい。という経営陣の判断で立ち上がった新規事業を担当していました。そこでサービス設計や商品開発をしている途中で会社の経営者にプレゼンをしたときによく言われたセリフです。

当時からこのセリフには違和感を持っていました。「ニーズ」があるから作る。のではなく、「ニーズ」を生み出すのではないか? それでこそ「新規事業」ではないのか?と。結局、そうした議論をしても最終的には、経営陣としてはよく分からない「ニーズ」に経営リソースを投下するリスクを背負うことができなかった。ということなんでしょうが、ことごとくダメ出しされました。まぁ、結局はそうした社風に嫌気がさしたので辞めちゃったのですが。

マーケティングの世界では、アンケート調査やグループインタビューなどのリサーチ方法を使って、まず顧客の「ニーズ」の把握をしようとします。それをもとに商品設計を行なったりサービス開発を行なったりして、市場に投入していくという流れが従来の流れです。要するに「ニーズがあるから作る」「ニーズがあるところ」に売るという考え方が中心です。

しかし、一般的なリサーチ方法から得られる情報は、実は顧客の意識に表面化している「薄いニーズ」でしかなく、本当に欲しい情報やどす黒い想いというものは調査結果には上がってきません。一説では人間が認識できる情報のうちで数字や言語で表現ができるものはわずか5%程度だと言われています。(ジェラルド・ザルドマン「心脳マーケティング」より) つまり、残りの95%は意識的・無意識的関わらず、脳が認識はしているものの、具体的に表現をすることができない。ということです。

そもそも「こんな商品・サービスって欲しいですか?」と聞かれて答えられるものは、今の時代だとどこかの企業がすでに商品化・サービス化していることが多いです。「これが欲しい」と具体的に答えられるものは、回答者に経験や知識の「既知の範囲」の答えにしかすぎず、「未知で新しいもの」を提示することはできるはずはないのです。

顧客は自分の望むものを自覚をしているわけではなく、本当に求めているものは表面的なものではなく、もっと潜在的なところに潜んでいるものです。それを商品やサービスとして提示できて初めて「これが欲しかった」と気づくのです。だからこそ、ニーズがあるかは「市場に出して顧客に見てもらわなければ分からない」のです。それを、事前に「ニーズはあるのか?」という言葉で摘み取るのは、新規事業を手がける資格はないと今でも思っています。(余談ですがその時、私が提案をしたものを数年後にライバル企業がその数年後に赤字覚悟で着手をしてFirstMoverAdvantageを享受しました。(事業としてはかなり収益性が高いみたいです)さらに、中堅中小企業向けのサービスをもとに個人向けサービスにまで事業の裾野が広がっており、正直「なんだかなぁ。。。」と感じているところです。)

「それ、本当にニーズあるの?」という問いかけは、「ニーズがあるとはっきりわかっている二番煎じのものだけ作ってくれ」ということと同義であり、新しいものにチャレンジしようとしている人に対して聞くセリフではないのです。なので、私は「ニーズがあるのか?」というセリフに対して答えるセリフはこの2つしかないと思います。

「これから出てくると思いますよ」
「まだないから生み出す覚悟でやりましょう」

そうしたセリフを社員に向けて発することができない経営者は、社内で新規事業をやりたい。と言わない方がよいとつくづく思います。担当させられる社員がかわいそうです。

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