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医療ケア児の受入は今のままでは進まないのではないか?

2021年6月に「医療的ケア児およびその家族に対する支援に関する法律(通称:医療ケア児支援法)」が成立し、9月18日に施行されました。これは、あまりデルタ株などでかき消された感はありましたが、保育業界にとっては大きなインパクトのある法律施行です。今まで努力義務だった、医療ケア児およびその家族に対する支援について、これから国や地方公共団体は実施する責務を負うことになるからです。

医療的ケア児とは、日常生活や社会生活を営むために人工呼吸器による呼吸確保や痰の吸引などを含む「医療行為」を受けることが不可欠な児童のことを刺します。医療技術の発達によって、難病や障害を持つ子どもの命が救われているという面がある一方で、医療機関を退院した後にこうした医療的ケアを継続的に行わないといけないという面も出てきました。そうした医療ケア児は増加傾向にあって、現在は推計として2万人強存在していると言われています。

この法律の背景には、医療ケア児の在宅療養における課題がありました。医療ケア児の在宅ケアは家族にとってもとても負担が大きく、24時間のケアが必要になるため保護者の就労が困難になるケースが多く、社会からの孤立が課題としてありました。一方で、医療ケア児やその家族が、保育園や幼稚園への施設への通所を希望しても施設側の受入が進まず、結果として断念せざる得ないケースが全国的に見られています。ただ、これは施設運営サイドから見てもすべての施設が「預かりたくない」と考えているわけではなく、「預かりたいがそのための財政的余力がない」というのが原因になっているケースが多いと感じています。

ですので、今までの医療ケア児の保育については、あくまで事業者努力によって成り立つものであった側面が多く、自治体側もそれなりの財政負担が増えるためそれに甘えていた経緯があります。

こうした事態の改善に向けた今回の医療ケア児支援法ですが、医療的ケア児への支援を国や自治体の「責務」としたことが非常に画期的だと感じています。

方向性としては、多様性の実現を掲げる当社としては大賛成なのですが、今の方向性の場合3点ほど懸念があります。
残念ながら、これらが解決しない限り今のままだと事業者側も及び腰になりますし、なかなか進まないのではないかと思います。

1.看護師設置に対する財政的支援
今の制度設計上、看護師設置加算というものがありません。(自治体では独自に設定している場合もありますが) みなし保育士として看護師をカウントしてもよい。という制度設計では保育者としてのカウントになるだけで、結局のところ本来の目的である「医療的ケア」のところが満たされません。あくまで、公定単価の加算とするか補助事業として最低でも看護師人件費相当分は財政的支援が欲しいところです。

2,該当児不在の場合における財政的支援の継続
医療ケア児がいる場合にのみ加算を行う。となると、仮にその医療ケア児がいなくなったときに財政的支援がなくなる。ということが懸念されます。ただ、人の採用についてはそういうわけにはいきません。医療ケア児がいなくなったからもうこなくていいよ。というわけにはいかない以上(まさか、解雇しろというわけにはいきませんので)、その保育施設として「医療ケア児受入対象施設」として申請をして、その上で対象児がいようがいまいが、財政的支援は継続することで看護師の雇用維持を行うべきではないでしょうか?

3,啓蒙活動と行政によるリスク担保
医療ケア児保育が進まない理由の一つに「不安」というのがあります。今まで関わったことがない、よくわからない。というのが保育園・幼稚園側に根強くある気持ちではないかと思います。また、そこから生まれる気持ちとして「何かあったらどうしよう」という不安感もあるかと思います。実際やって経験してみると「あれ、意外と大丈夫」というところがあるはずなのですが、その最初の一歩を踏み出す勇気やインセンティブがあまりにもなさすぎます。地方自治体には万一のときはリスクについては行政が負うことを明言することや、事業者に対するインセンティブの与え方についてシッカリと考えてもらいたいと思います。

当社は病児保育室を運営していることから、看護師を常時雇用をしており、医療ケア児保育との親和性は他の施設に比べて高いです。
まだまだ黎明期の医療ケア児保育ですが、今後の流れを注視していきたいと思います。

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