13Mar
起業してこの会社をはじめて10年と半年が経過しました。ただただ、運が良かったということ、周囲の人たちに恵まれたこと。などがありますが、同じ時期に会社を立ち上げた仲間はほとんど会社を畳んで会社員に戻っている状況を考えると、苦労をしたものの自分は頑張ってきたな。と自分が誇らしく感じることもあります。
以前読んだ雑誌で、起業に失敗したいくつかの事例が掲載されていました。
高級ワンルームマンションというコンセプト物件を供給販売していた会社があります。ここの社長は28歳のときに会社創業48ヶ月目で上場という最短記録を樹立して、当時かなりメディアにも取り上げられた記憶があります。
社員数もうなぎのぼりで、物件調達のために借り入れも勢いにのって行っていたようですが、リーマンショックによって市況が悪化するとあっという間に苦境に陥りました。
社長自身も一時年収5億円という破格の報酬をもらい、結局倒産したときに自己破産して会社も職も家族も失いました。どうも、この手の粗いお金の稼ぎ方をする人は、夜の遊びが好きなようで、この社長も夜の街で一晩で100万以上使ったりしていたようです。
また、ある人気レストランの経営者は、事業拡大をするために多店舗化をして店をスタッフにまかせて、自分は別の事業にのめり込んでいったようです。当然、人に任せっぱなしにした店舗がうまくいくはずもなく、気がついたときには危機的な状況になっていたようです。
こういった失敗例から、私は3つのことを決めています。
1.事業エリアは広げない。
2.事業は人任せにせず、でも口は出さずに見守るり託す。
3.なるべく早期に借入金をゼロにする。
1.事業エリアを広げない
ありがたいことに、ある程度地域の中で存在感を出せるようになってきました。また、会社の財務的にも資金調達能力的にも、他店舗展開を他エリアで行うこともできなくはない体力はできています。
実際、他エリアからの誘致の話などもちょくちょく舞い込みますが、これはすべて断っています。これからは、エリアを手広く広げるよりは地域に浸透していき、地域にとって「なくてはならない存在」になることが必要だと思っているからです。
会社の図体を大きくするのではなく、そのエリアにおける存在感を大きくしていく。ということを決めています。
2.事業は人任せにせず、でも口は出さずに見守るり託す。
会社にとって社長は精神的な支柱であり、実際に業務に関わっていなくても「そこにいる」という感覚を社員が感じられる距離感は必要です。
よほどのことが無い限り、現場に口は出さずに、現場を信頼して託す。
ですが、これがまた難しい。。。
3.なるべく早期に借入金をゼロにする
金融機関との付き合いや、万一のときに資金調達の可能性を考えると完全にゼロにはできないとは思います。でも、借入金をゼロに近づけることで資金繰りを改善し、手元キャッシュを積み上げていきたいと思っています。
そうすることでやりたいことを手元資金で行えるようになりますし、金融機関の審査にビクビクする必要もなくなります。
現金残高は心のゆとりです。
会社をやっている以上、大きくすることよりも長く続けることをこれからも重視していきたいと思っています。
そのためにも、起業当時の気持ちや苦しさを忘れることなく、真摯に仕事に向き合っていこうと思います。