10Apr
流山市では2021年4月入園の一次審査が終わった段階ですが、衝撃的な結果が公表されています。
保護者側から見ると空きがいっぱいあって嬉しい。状況ですが、事業者側から見ると冷や汗が出る状況です。
https://www.city.nagareyama.chiba.jp/life/1001107/1001162/1028704.html
多分、今年の流山市4月の待機児童は0になるでしょうね。0は難しくても下手すると1桁とかになるのでは?とも思っています。
※それ自体はとても喜ばしいことですが。
一次募集終了時で0歳・1歳・2歳の空き状況は私は見たことがありません。これから二次募集の調整がなされるところではありますが、ここから大きく変化することはないのではないでしょうか? よく言えば「待機児童対策が功を奏した」なのですが、今年新園を開設するところなどは本当に冷や汗ものではないかと思います。
その上で、この状況を勝手に分析すると次の3点があると私は思っています。
1)新型コロナによって育休が延びた
今、新型コロナ感染症の拡大に伴って、育休を延ばす人が増えています。(会社から要請される人もいるみたいです。)
なので、今回の特に0歳児クラスの新入園児が軒並み空きがある状態なのは、例年「待機児童にならないために0歳児から入れる」組が少し様子を見ているのではないかとも思っています。
まぁ、これは非常に分かりやすいですし、なんとなく予想もできる範囲です。
ここからが本質的な問題ではないかと思っています。
2)流山市の保育園整備計画の甘さ
子ども子育て委員の立場でもあり、自社でも昨年4月に新園をOPENした身なのでなかなかいいにくいところではありますが、「待機児童がいる→保育所を作る」という刹那的な対応によって生み出されたものではないかと思っています。
実は、保育所整備計画は「待機児童数とその今後の予測(5年)」によって開設可否が判断されます。(それだけではないですが、かなりの意思決定割合を占めます)
以前から、本当にこの時期にこれだけの建設が必要なのか?
認可保育所を昨年開設した身で言うのは、なんともいいづらいところですが「待機児童がいる→保育所作る」と刹那的な対応を子ども子育て会議では指摘を常々してきました。目先の数字をもとに、数億円単位の税金と事業者側は10〜20年近い借入リスクを背負って新しい保育所は開設されるのですが、そもそもの需要量の見込みと整備計画量が長くて5年程度しかみていない。この辺のズレは確実にあります。
#創設補助金を使った場合です。
#改装に対する補助金の場合は多くて4,000〜5,000万円くらいの補助金ですみます。
3)保護者側の環境・見方の変化
これは、新型コロナによって今まで隠れていた(または表に出てきていなかった)保護者の不満や見方が表面化しただけではないか?ということです。
今回、新型コロナの感染拡大対策に伴い、2度の緊急事態宣言が出されました。それに伴い、昨年の春は未知のウィルスであるというところから「原則として登園を自粛する」という選択をとりました。しかし、2度目の緊急事態宣言においては、そうした要請は行政サイドからはなされませんでした。
にもかかわらず、一部の心ない保育事業者によって「休んでもらったほうが得」という認識があり、コッソリと行政サイドからの要請を超えた「登園自粛要請」を出されたところもあるようです。結果として行政サイドへの苦情があがり、行政指導・通達などが出される情けない事態になっていますが。
#変動的な人件費(派遣・パート)や給食食材費などの費用が不要になります。
#補助金額が同じであれば開園しないほうが事業者は儲かります。
そうした保育園側の姿勢に呆れてしまい、嫌な思いをするくらいなら預けなくていいや。という選択をした家庭もいるのではないかと推測しています。
また、同時にリモートワークの浸透などをきっかけに、あえて都市部周辺に住んで「本当に保育所に入れるか?」というところをドキドキしながら過ごすより、少し離れて定員に空きがあるエリアへの転居なども進んでいるようです。
「ただ建物があって保育士がいる保育園」というのはこれから選ばれなく時代がきっとやってきます。なぜその保育園なのか?というのが問われるようになります。改めて「地域で選ばれること」の重要性が本当に大切になる1年だなと気を引き締めたいと思います。