3May
起業に関する相談を受けるときに、よく私は「起業は目的ではなく手段であり、その先にある夢が大切だよ」とその人にお伝えしています。
今、もし「起業」を志しているとすれば、あなたにとってそれはどんな位置づけでしょうか?
「人に遣使われるのが嫌だから社長になりたい」
「金持ちになりたいいから起業したいです」
といって起業を志す方がいます。
個人的には起業のモチベーションはどんなことでもいいとは思います。でも、どうせやるなら自分がやりたいことを通して、色々な方や地域や社会が影響を受けて変わっていくような、大きな「夢」を持つことをおすすめしています。
もちろん、起業の動機の中に「私は飲食業の経験があるから、お店を開いて起業をしたいです」でも構わないと思います。ただ、「飲食店を開く」ということにとらわれるのではなく、「飲食店」という点を通してどのような未来が作れるか? 社会にとって良いことは何か? そうした「夢」をもって起業に取り組んで欲しいと思います。例
えば、「地域の方が自分にとって居心地のよい、会社でも自宅でもない第三の場所を作る」という「夢」まで広げることができれば、情報提供やマッチングする仕組みを作る側に回ってもよいですし店舗のデザインという道もあります。(ちなみにこの夢はスターバックスの理念です)
具体的には「夢」を持つことで可能性が広がるポイントは3つあります。
一つは「人を巻き込みやすくなる」ということ、二つ目に「当初の事業プランに固執せず、目標を達成するための道を色々と広い目線で考えることができるようになる」ということ、そして最後に「自分の心の拠り所にすることができる」ということです。
1)人を巻き込みやすくなる
大企業の事業であれば、ヒト・モノ・金・情報などが様々な資源が予めある状態で事業に取り組むことができますが、起業の場合そのほとんどが不足している状態またはまったくない状況でのスタートがほとんどです。その「夢」に共感してくれる方の協力を得られやすくなります。場合によっては、「夢」はそうした資源を提供してくれる人を引き寄せてくれるかもしれません。
2)広い視野で物事を見ることができるようになる
上の例でいうと「飲食店を開く」ということは具体的な「夢」を叶えるための「手法」の一つでしかなく、それ以外にももっと別のやり方があるかもしれません。「夢」を持っていることで、飲食店経営がもしダメだと判断したときも、別のやり方を考えることができます。夢を実現するための道筋は他にもきっとあるはずだからです。
3)自分の心の拠り所にすることができる
これは、別途書こうと思いますが、起業は非常に孤独でありすべて自分で考え自分で決断をしなければなりません。これは、会社員のときにはない感覚です。会社員は結局のところ、最終的な責任は社員ではなく会社にあり極論すれば何億の損失を出そうが、その責任は会社にあります。起業はそうはいきません。
そうした日々の中、「なぜ起業をしたんだろ?」と自分に問いかける日がいつか必ずきます。そのとき、薄い志だと気持ちが支えられず折れてしまいます。
ちなみに、当社では「病児保育」を皮切りに子育て支援事業(保育所・学童保育・子育て支援センター・子育て支援フロアの運営)などを行っていますが、すべからく「地域で子育てに困ったらマザープラネットに相談しよう」という会社になろう。と「夢」を掲げています。「病児保育」にしろ、「保育所」にしろ、その他の事業にしろ、それはすべて「夢」を実現するために手段に過ぎません。
その口に出した「やりたいプラン」「やろうとしている事業」をもう一歩広い視野で見直したとき、どういった「夢」になるでしょうか?
そこを起業を志したときは考えてみてはどうでしょうか?