1Mar

同業の社長と話をしているときに「うちは保育士が異動を嫌うから、人員配置がしにくくて困るよ」と嘆かれていました。
今時点は売り手市場のため「異動が気に入らなかったら辞める」や「◯◯に異動できなければ辞める」という、会社に対して強気で訴えてくる保育士もいると聞きます。
まぁ、売り手市場なのはここ数年の話で、だんだん保育士の採用は厳しくなってくるということを知らないんでしょうねぇ、そういう人はと思いますけどまぁいいです。
そういうとき、上記のような「異動するなら辞めます」というセリフですが、これは仲間内で言っているうちはいいのですが、会社との交渉時に言うのはやめておいたほうがいいですよ。
理由は簡単
もしそういう「退職」を武器に、異動の計画を撤回してしまうと今後同じようなケースが必ず出てきます。そういう人って絶対言うんですよ「辞めるといったら異動がなくなったよ!」のように武勇伝のように職場内で話すに決まっているからです。(苦笑
そうすると、会社として「人事の公平性」を担保できなくなるだけでなく、事業計画自体への影響も大きすぎます。
人事異動とは、圧倒的に労働者側に有利になっている今の法体系の中で(そう思えないでしょうが、真面目にやっている会社ほど社員側に権利が寄りすぎているんですよ)、数少ない権限の一つですし事業経営において極めて重要な権限なんです。それを「退職」をちらつかせて侵すような行為は、どれだけ有能な人でも会社として認めることはできないのです。
でも、こういうことを言い出す人はそこまで考えておらず「どうせ、私にやめられたら困るでしょ?」という妙な自信があるから困ったものです。
異動に関して社員が言ってよいのは「ここに異動して◯◯をやってみたい」「今は◯◯という事情があるから異動は控えたい」という希望を伝えるだけです。
それ以上踏み込んだ発言は、会社としては聞いてしまった以上、考慮してあげたくても逆にできなくなってしまう危険性があります。
まぁ、そもそも不合理な異動でなければ、基本的に「異動を拒む」ということは社会人として失格ですけどね。
ちなみに、当社では入社時点で「異動がありえること」を契約として締結するため、異動を拒否するということはあまり起きませんが、それでも異動を好意的に捉える社員はまだまだ少ないのではないかと思います。異動とは「この人ならここに行って活躍できる」「ここに配置することで会社全体にプラスに働く働きをしてくれるはず」という期待があって発せられるものなのですが、まだまだ異動はネガティブに捉えられてしまうのが少し残念です。