20Mar
アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した「ハーズバーグの2要因理論」というものがあります。
実は、私は会社の人事施策を考えるときに、重要度と優先度の付け方をこの考え方をもとに考えることが多いです。(もちろん、これだけではありませんが、一つの基準というか軸ですね)
人間には2種類の欲求要因があり、それによって「満足」と「不満」を感じるという考え方です。
一つは「衛生要因」と呼ばれ、苦痛を避けようとする動物的欲求をベースにした要因です。そして、もう一つは「動機づけ要因」と呼ばれ、心理的に成長をしていこうとする人間的欲求をベースにした要因です。
この考え方においては、ある人に対して苦痛を避けようとする動物的欲求をいかに充実させても、その人は不満を感じなくなるだけで、精神的な満足を充足させることはできません。また、逆に精神的に成長をしてこうとする人の欲求をいくら満たしてあげても、その人が感じている苦痛を避けようとする不満を減少させることはできない。という考え方です。
つまり、いくら衛生要因を高めても満足はしないし、動機づけ要因が基準以下に下がっても不満にはなりにくいということです。
言い換えると、衛生要因とは「離職の根源的理由」であり、動機づけ要因とは「人の根源的要因」であると私は考えています。
そうした考え方の中で、人事施策(採用活動も含む)を考えるときに、「今時点で、この施策はどちらの要因に向けるものか?」「重要度と緊急度を照らし合わせて、限られた経営資源の投下順はどうなるか?」ということを考えています。
ですので、考え方としては衛生要因が一定水準未満なのであれば、それ以上にまずは持っていく。次に、動機づけ要因に手をいれつつ、衛生要因も注視しながら維持向上を図っていく。という基本スタンスで今のところは会社の人事施策を考えています。