28Feb
子どもの権利条約というものがありますが、子どもに関わる保育士なら当然知っているかと思います。
すべての子どもが保障され守られるべき「権利」として4つの権利を国際的に定めており、この条約に日本は1994年に批准をしました。(発効は1994年) ですので、日本国内において子どもに関わる人はすべからくこの条約に基づく子どもとの関わりを意識しなければなりません。
子どもの権利条約で子どもが保障される権利とは次の4つです。
<生きる権利>
住む場所や食べ物があり、 医療を受けられるなど、命が守られること<育つ権利>
勉強したり遊んだりして、もって生まれた能力を十分に伸ばしながら成長できること<守られる権利>
紛争に巻きこまれず、難民になったら保護され、暴力や搾取、有害な労働などから守られること<参加する権利>
自由に意見を表したり、団体を作ったりできること
そしてこの権利が、乳幼児保育に関わる我々にとって意味することは「年齢制限がない」ということです。生まれたばかりの赤ちゃんにも等しくこの権利は保障されるべきとされているということです。
では、保育室内における「あるある人権侵害行動」を見てみましょう。
<事例1>
給食の食べ方が保育士の思い通りにならない子どもを叱って「じゃぁ、もう食べなくていいです!」と言って給食を無理やり取り上げる。
これは「生きる権利」の侵害です。そもそも食事をあげない。という行為自体も虐待ですが、こういうことが行われている保育園はまだまだあるようです。以前、とある保育園に視察に行ったときに、こういうことをしているクラスがあって、園長に確認したら「あれは躾なのでいいんです」とサラッと言っていたことに寒気を感じました。
<事例2>
排泄の時間を決めて、子どもをトイレに並ばせて流れ作業のようにおむつ交換を行う。
これは「育つ権利」の侵害です。
我々だっては「トイレに行っていい時間はこの時間だけです」「この時間になったらトイレいって排泄してください」と言われたら嫌ですよね。なぜか、乳幼児だったらOKと考えるのは違います。
<事例3>
子どもからの「ねぇねぇ、聞いて」という問いかけを、無視したり「また後で」と言って結局対応しない。
これは「参加する権利」の侵害です。子どもの「意見」を発信し、それを受け止めてもらう権利を侵害しています。
無視することは論外として、どうしてもすぐに対応できない場合は、後でもいいので必ずその子に対して対応をすることが必要です。
実は、保育室内にはふとしたタイミングで「子どもの人権侵害」につながることが起きています。
行動を起こす前に「これって人権侵害にあたっていないだろうか?」と意識をすることで、結果として子ども主体の保育につながっていきますし、保育の質が上がっていくと思います。